健康よもやまばなし

「上海福喜食品」報道に思う③

今回の問題が深刻なのは、米資本の大手食品会社で偽装があったことです。当然、報道の画像から見て、ISOやHACCPなどの認証を受けている工場でしょう。おそらく製造者としての資格としてはこれ以上ないレベルの工場(逆に言うと大手食品チェーンが調達しているんでそれ相応のレベルじゃないと指定工場にはなれませんもんね。)だと思われますが、そこでこのような事件が起こると、消費者は何をよりどころにして安全を担保したら良いのでしょうか?

どのような従業員が作業に携わっても、均一の製品が製造できるように設備や生産マニュアルがあるわけですが、そこに「従業員の資質」というか、個人の衛生観念なんていうチェック項目はありません。また、床に落ちたものは再利用してはいけない的なだれが考えても当たり前のことはマニュアルにはないんじゃないかと思います。一方で顧客からは「無慈悲」な価格を要求されます。彼らもビジネスとして工場を運営しているわけですから、ほんの出来心でモラルが決壊してしまうのでしょう。

実は弊社では、事件前から中国産食品輸入について取引先と折衝していました。で、事件後、ターゲット販売先と面会したわけですが、当然ながら彼らの購買姿勢は180°転換しました。レアな商材だったので、事件前は非常に前向きでしたが、中国産全面見直しを通告されました。(まぁ、当然でしょうね。)

その時、バイヤーから出た言葉は、ISO、HACCPがあるのは当たり前、それに加え日本向きに一定以上の輸出実績があること、日本人が常駐して日本人の衛生感覚で常時監督していること、プラスアルファ既存の管理基準を見直すなどなどでした。
しかしながら、お気づきの通り、それらが完璧に今回の事件の抑止力になり得るとは全く思えません。前者2項目は上海福喜食品も当然クリアしていますし、いくら日本人でもビジネスですから算盤を弾くし、管理基準にいたっては、既に付け加える項目が思い浮かばないくらいに厳しくなっているからです。

もう、食の安全を享受したいなら、極端かもしれませんが自己責任で自給自足しか方法がないのかもしれませんね。本当にいろいろ考え出したら、何一つ食べれるものがなくなってしまいます。。。

<終>

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2014年8月 5日